【社労士試験】労働基準法の「労働条件の明示事項」のポイントは、これだ!

【社労士】労働基準法

こんにちは、マサヤドスです。

今回は、社会保険労務士試験において頻出項目となっている、労働基準法 第二章 労働契約 の『労働条件の明示事項』について、ポイントをまとめてみました。

まずは法律の条文を確認する。

まずは、法律の条文を確認してみます。
暗記するだけであればテキストを読むだけでいいとは思うのですが、実務をする際には法律を読み、解釈しなければならないので、手間ですが一度目を通しておきます。
見る必要ないって方は、飛ばしちゃってください。

以下、労働基準法の条文です。

(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

続いて、厚生労働省令(労働基準法施行規則)で定められている内容です。

第五条 使用者が法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、第一号の二に掲げる事項については期間の定めのある労働契約であつて当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限り、第四号の二から第十一号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
 労働契約の期間に関する事項
一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
 安全及び衛生に関する事項
 職業訓練に関する事項
 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項
 使用者は、法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならない。
 法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める事項は、第一項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
 法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。ただし、当該労働者が同項に規定する事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる。
 ファクシミリを利用してする送信の方法
 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下この号において「電子メール等」という。)の送信の方法(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

意外と条文が長かったです。
労働基準法施行規則第五条第一項の各号に、労働者に対して明示しなければならない労働条件が掲げられています。
また、ただし書きにより、以下の2点について例外が設けられています。
「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」については、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限る。
・「第四号の二から第十一号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。」とされており、定めがない場合は明示する必要がない。

あとは、同条第四項で、明示の方法が規定されています。第一項の第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)は書面での交付が原則とされています。

『労働条件の明示事項』について簡単な表にまとめてみた。

さきほど確認した内容を表にまとめると、こんな感じです。

※②期間の定めのある労働契約であつて当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限る。

『労働条件の明示事項』について過去問を調べてみた。

では、最後にいくつかの過去問で出題例を確認しておきます。解答は問題文があっているかを〇か×かで判断します。(少し下に解答があります。)

問1
労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項は、使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれている。[H21-2B]

問2
使用者は、「表彰に関する事項」については、それに関する定めをする場合であっても、労働契約の締結に際し、労働者に対して、労働基準法第15条の規定に基づく明示をする必要はない。[H24ー2D]

問3
使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付により明示しなければならない。[H25ー6C]

↓ そろそろ解答です。

解答 問1 〇 、問2 × 、問3 〇
問題どうでしたか。過去問から問題のイメージが出来たのではないかと思います。

まとめ

労働条件の明示事項について、条文から過去問まで確認してみました。
過去問を見る限りでは、「絶対的明示事項」と「相対的明示事項」の内容については、すべて暗記しておくべきかと思います。
明示事項の数も多いので覚えるのが大変ですが、理解できていれば確実に正解できる内容ではあると思いますので、しっかりと得点につなげれるようにしておきましょう。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。